こころざし

日々のつぶやきをしるしたブログです

かくかく
かくかくしかじか



「かくかくしかじか」という漫画を読んだ。
 主人公であり著者の漫画家・東村アキコが、絵画教室の先生と仲間たちとのやりとりや漫画家になる過程を描いたコミックエッセイ。紹介してくれた人に「泣けるよ」と言われていたので、期待していた。
 全体として登場人物がギャグテイストで面白いし、そのギャグテイストとセンチメンタルのギャップが心地よい。先生のキャラも立っていてぐんぐん読みたくなる作品だった。わたしが美大受験していたことが、この漫画を楽しむ最高のスパイスになった。
 作品の中の先生は、竹刀を振り回し有無を言わさず書かせるとても厳しい人。そんな先生が突然「庭に石畳を敷いてその隙間にニオイスミレを植えて、モネの庭みたいにする」という乙女チックな夢を語った箇所が好きだ。おかげで「モネの庭が自分でできるのか」とガーデニングをしたくなった。
 それからやはり、「描け」という一言に集約される、「絵を描くこと」の結論みたいなもの。先生の描くこと・創作することに対するパッションが作品を通して描かれているところが好きだ。絵を描く人の間で、「描けなくなった」というのはよく聞く話だが、絵は手が動く限り永遠に描けるはずのものである。とにかく手を動かすということ。「誰より多くの線を引きなさい」という言葉を、師匠に言われる画家の話をどこかで聞いた。いい絵かよくない絵かは別問題だが、とりあえず書かなければいい絵になるわけがない。描いて初めてわかるのだ。わからなくなったら、とにかく手を動かしてもがくこと。
 時間内に書き上げ、順位をつけられる受験用のデッサンなんてクソ喰らえと思っていたけど、美術の世界にも体育会系の精神力が問われる世界なのだ。トウフメンタルのわたしにはわかりやすく、そのぶん痛いところを突かれた漫画でもあった。美大受験は、画力というか、精神力の試験のようにも思う。
 作中、主人公のアキコの彼氏が、アキコの先生と対面したあと、「俺もあんな先生だったら5浪もしなくて済んだかもな」と言うセリフがあったが、まさにその通り。有無を言わさず「描け!」と言ってくれる先生、絵画及び芸術に純粋に没頭する先生に、「わたしにもこんな先生がいれば…」と心惹かれるものがあった。
 会社、漫画、絵画教室、と目一杯のわらじを履いたアキコがはじめて漫画に真剣に取り組むことができたところが印象的だ。絵を描いたって、それが売れるかどうかなんてわからないし、売れない場合の方がうんと多い。それでも手探りで絵を描く=もがくことで、自分を形作るなにかに、描く人それぞれに出会えるのではないだろうかと思った。

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